オタクと社会の間で右往左往する姿に共感する人が続出。NHKが本気でつくったオタクドラマ「トクサツガガガ」がおもしろい。
共感の声が広がり始めている不思議なドラマ「トクサツガガガ」。
「トクサツガガガ」は「ビッグコミックスピリッツ」で丹羽庭さん連載中のマンガを原作としたドラマ。
特撮オタクの中村叶(小芝風花)が、オタクであることを隠しながらOL生活を過ごして行く中で様々な災難が訪れる。
すると、獅風怒闘ジュウショウワン(獣将王)の面々が現れて、特撮ドラマ上の名セリフを語りかける。
その言葉に叶は勇気づけられて、特撮オタクの知識をフルに活用し、次々とピンチを切り抜ける、というストーリー。
設定がすでに斬新ですが、このドラマを見た人でないとわからない面白さが存分に秘めています。
この再放送を機に、あなたも「トクサツガガガの沼」にハマってほしい!
そこで、NHKドラマ「トクサツガガガ」の魅力を紹介します。
妄想が本物に。本物の特撮スタッフ・声優を起用して生まれたリアリティ。
「トクサツガガガ」の魅力は、何と言っても叶が妄想する特撮ドラマの世界が不意に現実とリンクする奇妙さ。
原作マンガでも人気である演出ですが、その奇妙な世界観と、あまりにもマニアックな設定ゆえに「映像化は不可能」と言われていました。
しかし、そこはNHK。ぜひともNHKの本気の悪ふざけを見てほしい。
このドラマの魅力は特撮ドラマのリアリティであることを見極め、マンガの世界の特撮スーツを、「作って」しまいました。
それだけではなく、周辺のおもちゃやグッズまで揃えるという徹底ぶり。
(名古屋のNHKで展示やってます!)

さらに、声優、スーツアクター(特撮のスーツの中に入っている人。アクターひとつで動きやキレが全く異なって見える)も、本当に特撮ドラマに参加している現役の人を起用。
さらに演出では東映にも協力を仰ぐなど、特撮オタクですら引くような追求ぶり。

「OLの世界」と「特撮ドラマの世界」が見事にとけあって、何とも言えない世界観が味わえます。
こういう突然ぶっこまれる特撮演出おもしろすぎてぶっ刺さる笑 (カラオケ怪人CV稲田徹) #トクサツガガガ pic.twitter.com/PDOnyWAupq
オタクの「あるある行動」がいちいちリアル。
隠れオタクとして活動している主人公のもどかしい感情に、共感する人が続出しています。
- オタクの深い共感を話しあえる友人がいない寂しさ。
- (同僚に見つからないように)何軒もハシゴして、好きなアイテムをゲットする執念。
- 不意に順番が回ってきたカラオケに右往左往。
その瀕死の事態が全て叶の頭の中に変換されると、奇妙キテレツな世界観で表現され、それがいちいち納得できる。
オタクが日々悩まされてる本音のみで構成された、濃厚な45分を楽しめます。
全てのオタクに幸あれ #トクサツガガガ pic.twitter.com/D9vXIidR2B
OLの日常を描ききって生まれる共感。
商社に勤め、ひとり暮らしの叶は、特撮オタクであるがゆえ、会社の交流は控えて、家に帰ってできるだけ特撮ドラマの世界に浸りたい性格。
しかし、現実社会には「おつきあい」というミッションが次々にやってきます。
- 飲み会
- カラオケ
- 一般的な話題
そのミッションをどうクリアするか。
毎回翻弄され、グロッキー寸前になりながらも、不意に妄想の世界から現れるジュウショウワン(獣将王)の力を借りながら、オタクならではの回答で立ち向かいます。
完全に俺らじゃん #トクサツガガガ pic.twitter.com/BCjIEO2oxS
マンガの原作を裏切らないキャストの演技。
原作となったマンガ「トクサツガガガ」のもうひとつの特徴として、一人ひとりの設定がとてもしっかりしていて、それぞれの立場やモノの見方が少しずつ違うことを、描ききっています。
- 「ジュウショウワン(獣将王)」にのめり込みながらも、年齢や社会の常識に翻弄される、弱気な性格の仲村 叶(小芝 風花)
- 同じ「ジュウショウワン(獣将王)」オタクの、吉田 久美(倉科 カナ)
- 職場の同僚で、容赦なく厳しい言葉を投げつける北代 優子(木南 晴夏)
- チャラい性格の職場の同僚で何の気なしに叶に高いハードルを与えてくるチャラ彦(森永 悠希)
- 塾に通う小学生でジュウショウワン(獣将王)が好きなダミアン(寺田 心)
- 娘が女の子らしく育ち、いつ結婚するか待ち望んでいるシングルマザーの叶の母(松下 由樹)
それぞれのキャラの世界観をキャストが理解して演じているからリアリティが違う。生き生きとした演技で描かれています。
北代さん、原作とそっくり#トクサツガガガ pic.twitter.com/yEvFKuCuRU
不意に心をゆさぶられるストレートなセリフ。
妄想の世界と過剰な演出で、見るものを飽きさせないドラマ「トクサツガガガ」ですが、本音ばかりが飛び交う世界だから、不意に心ゆさぶられるストレートなセリフも入ってきます。
それが、シリアスなドラマで語られるよりも納得してしまう。
関係ないですよ、好きなものに性別とか年齢とか、それはきっと、自分が決めていいことだと思います
このセリフにどれだけの大人達が救われただろう。#トクサツガガガ pic.twitter.com/jl9zKWBfHU
特撮好きに限らず、
「自分が好きでたまらないものを誰かに笑われたり全否定されたことがある」
「だから、好きなものについて語り合う仲間が欲しいけど、好きだと大きな声で言えない」
「お金を好きなものに使える大人になれてうれしい」
そういう人たち全てに突き刺さるドラマ。#トクサツガガガ
トクサツガガガの再放送はNHK総合で2月3日午後3時40分~同5時51分を予定(変更の可能性あり)。
「トクサツガガガ」はこれまでの1〜3話を今日再放送!
NHKが本気でつくった(悪ノリした?)、今クールイチオシのドラマです。
この機会に、ぜひお見逃しなく!